2010/10/31

自転車ツーリング 四国半周東側 その6-5

つづき

またリアがパンク。
替えたばっかりじゃねーかよー、根性なし!
五色台スカイラインで、エア抜きのまま引きまわしたのが悪かったのか...

まいったな、雨で交換できない。
どこか雨をしのげる場所を探さなくては。

と言っても、まだ少ししか下ってないぞ。
雨の中、自転車引いて歩いて下る。
この旅二度目の屈辱。

ところが15分ほど歩いただけで、なんと集落が! おぉ!
大きな車庫のあるお宅の車庫に入れさせてもらう。

黙って使うのも悪いよな。
たまたま現れたおじさんに車庫のことを伺うと、ご主人だった。
快く承知してくれた。ありがとうございます。

濡れているので、よく拭いてからタイヤ交換。
ホイールに問題は無いようだが...
買ったばかりのポンプで空気を入れて復活!
本当に助かりました。ありがとうございます!

しかし、もう予備タイヤはないぞ。
次にパンクしたら終わりだ。
日が暮れる前に急いで、だが慎重に下らなくては。

R439からr32へ。
雨の中、前方の路面に集中。

たまに見える渓谷。

晴れていれば美しいのだろうが、こんな状況では恐ろしい。

延々と下る。 こんなに上ったっけ?
ブレーキレバーを握る力が続かない。

誰が、何のために。

なぜか現れた小便小僧。渓谷に向かって放尿。
まさか君がこの渓谷を! なんてふざけている余裕なし。

↓晴れていれば、こう見える↓
<徳島県三好市観光情報>

徐々に日が暮れて薄暗くなってきた。
早く下りたいが、スピードは出せない。
寒くて心細い。

祖谷口橋に出た。
どうしようか迷ったがR32へは出ず、対岸の道を下ることにした。
水しぶきを上げて走る大型車のわきなんて走れないよ。
自殺行為だ。

ところがこれが痛恨の判断ミス。
山の中で日が暮れちゃって真っ暗。街灯なし。
夜間走行を想定していないので、持ってるライトはLED単灯。
これこそ自殺行為だ!

何とか見える路肩の白線だけを頼りに下る。
左側に深い渓谷があることを知っているだけに恐い。
雨は降り続く。泣きそう。

民家の明かりが見え始めたとき助かったと思った。
池田大橋でR32に合流したとき、あんなに嫌いだった車の明かりに安堵した。
水しぶきをかけられても無事生還を祝福されているようで、なんだかうれしかった。

運良くすぐホテルがあったので、倒れこむようにチェックイン。



走行ルート


走行データ
走行時間 ?:??:??
走行距離 125 km くらい
平均速度 ??.? km/h
※雨のためサイコン故障。データ取れず。

自転車ツーリング 四国半周東側 その6-4

つづき

ここは高知県と徳島県の県境。


みごとに真っ白。

何にも見えませーん。
少し雨も降ってきた。

晴天ならば美しい眺めが広がるのだろう。
でも、こんな峠の様子を見られるチャンスのほうが少ないよね。
むしろラッキーか。
雨なら来ないでしょ?

峠にある茶屋で“しし肉うどん”

あー、うまい。

茶屋にはおじさんがひとり。
ずっとひとりでここにいるのだろうか。
静かだ。何の音もしない。テレビなんか無い。

壁には大量の寄せ書き。
自転車で来ている人もいるみたいだね。

茶屋を出たら雨が本降りになってた。
雨の下りはいやだなー。
すべるし、止まらないし、寒いし。

徳島県に入って下り始める。
上ってきた高知県側の路面はきれいだった。
ところが徳島県側は最悪。

これは... ひどい...
どこを通れと?

まずいなー、水たまりで路面が確認できないよ。
こんなところでパンクしたらたいへんだぞ。
標高からして、三日目の五色台スカイラインとの比ではない。
(その3-2参照)
慎重にじわじわと下る。
ひどい路面がずっと続く。

悪い予感は得てして現実となる。

パンクした... orz...

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その6-3

つづき

R439に入ってすぐは新道工事中。
きれいな道だ。

しかしその後は1車線道路がずっと続く。

走りなれた林道のおもむき。

アップダウンは無く、常に上り続ける。
急な上りは無いので淡々と進める。

げげっ!

バス、落っこちてますけど...

驚いたのは、かなり上っても集落があること。
すごいなーと思って、さらに上ると、また集落が現れる。

これだけ上のほうに住むのは、どんな暮らしなんだろう。
買い物は?学校は?いろいろ想像する。

峠まで、あと2km。

淡々とした上りが延々と続く。

さすがに足もつらい。
だが止まることはしない。

こういう単調な上りの最中で、ふと考えることがある。
自分の今の生き方、過去、未来。
自己を否定してみたり、肯定してみたり。
未来に思いを馳せたり。
思い出に笑ったり、泣いたり。

この状態になると、路面や風景は見えているんだけど見てはいない。
あとで思い出せない。
ペダルを回していることも意識していない。
登山ではないけれど、自分ではこの状態を「クライマーズ・ハイ」と呼んでいる。

そして到着。

京柱峠。

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その6-2

つづき

大杉の近くに、なぜか美空ひばりさんの歌碑が。

大杉に願をかけたら成功してスターになったとか。
いや、それはさー... ま、そういうことにしておこう。

歌碑にボタンがついていて、押してみたら大音量で「川の流れのように」。
わ、わ、わ、とまれー。
山間の静寂を破り、高らかに響く歌姫の歌声。
すみません、すみません、押したのは私です。

道の駅大杉を出て、R32を東へ。
JR土佐穴内駅を過ぎて、川の対岸を走るr113へ。

おぉー、こういう道がいいんだよ。

JR大田口駅。

やはり無人。

水田もある。

水はどこから?
川は深い谷の下だぞ。

線路わきを走る。

列車は一度も見ていない。

長瀞橋に出た。

さて、この後どうしようか。
このままR32を進めば、有名景勝地、大歩危、小歩危。
ぜひ見たい。

しかし、自転車でこの地を訪れた今、もっと魅力的な場所がある。
「京柱峠」標高1130m。

谷よりも峠だろ。R439へ。

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その6-1

2010/10/08

曇り空。予報では午後から雨模様。
高知から出発。

この先西へ進めば四国一周ルート。
四万十川、足摺岬、カルスト、石鎚山、etc、見どころ満載、走り応え十分。

でも、あわてて走り抜けてしまうのはもったいないよね。
四国西側は次の機会に残しておくとして、ここから北へ向かうことにした。
周りをぐるっと一周するだけではなく、中央の山々も味わいたい。

高知市街からr374、r252とつないで、R32へ。
国道はおもしろくないので、r33からR32に沿って走る道へ。

谷間の集落を抜けてゆく。

道に迷ったけど、たまたま家から出てきたお兄ちゃんに聞く。
若い人がいてよかった。どうもありがとう。

だがこの道、とんでもない斜度だ。
表示はないが、おそらく15%越え。
調子の悪いリアシフトのため、19T固定で上る。
何度もシフトレバーに指が伸びたが、この後のことを考えて我慢。
温存しているローギアの使いどころに迷う。
なんとかR32へ復帰した。

序盤の意外なところで足を使ってしまい、早くも息があがって根曳(ネビキ)峠。

ここで目を疑う光景に遭遇。
峠の反対側から、おじいさんがボロボロのママチャリに荷物満載で上ってくる。
もちろん腰は下ろしたまま、なぜか笑顔。

迷いがふっきれた。
ローギアがまだあると思うから迷うんだ。もう無いと思おう。
ありがとう、おじいさん。もう迷わないよ。
あとは己の力だけで山と対峙する。

峠でよく出会う、トリプルだ、コンパクトだ、などと自慢げに話す、メタボぎみサイクリストにも見せてあげたい光景だ。
まずは己をチューンしないとね。

JR繁藤(シゲトウ)駅。

無人駅。ちょっと休憩。

大豊トンネル、1605m!

うわぁぁぁぁ...

迂回路があるんだけど、長さに興味があって見にきてみた。
歩道があるから行ってみよう...

こ、こわい... ながい...
やめればよかった... もう戻れない...

国道の長いトンネルを抜けると、そこは道の駅だった。
道の駅大杉。


大杉と言うだけあって、巨大な杉の木がある。

日本一の「杉の大杉」。
たしかにでかい。

でも「杉の大杉」って、おかしくない?
頭が頭痛、頭痛が痛いみたいな。
松の大杉ってのは無いだろう?

つづく

2010/10/30

自転車ツーリング 四国半周東側 その5-5

つづき

高知市街へ行きたいのだが、浦戸大橋はもういやだ。
浦戸湾の西側はトンネルあるし。

地図をよく見ると浦戸大橋のわきに“渡船”って書いてある。
おぉ、これだ。 しかも無料。

船上から、さっき渡った浦戸大橋を眺める。

あんなに高いのかー。

r35で高知市街へ。

市街はいやだね。
予測不能な動きをする学生自転車群。
こわいから自転車降りて引いちゃう。

はりまや橋。

がっかり。

坊さんがかんざしを買うような風情は無い。

高知城。

夕暮れせまる。

土佐だろ!
やっぱ、これだろ!

かつおのたたき。

感動!衝撃の味!
自分は初めてかつおのたたきを食べたと感じた。
いままで、かつおのたたきだと思っていたものは、たたき風のかつおの刺身だった。

食べててちょっと涙でた。感涙。

※後日談
あんまりうまかったんで、冷凍のものをおみやげに自宅に送った。
家に帰って食べたら、やっぱりそれは“たたき風の刺身”だった。
教訓:あぶりたてを食うべし



走行ルート


走行データ
走行時間 7:47:52
走行距離 148.71 km
平均速度 19.0 km/h

自転車ツーリング 四国半周東側 その5-4

つづき

自転車道が終わって、桜づつみ公園に出た。

“世界一の雲てい”ですってよ。

モンキーバーって言われちゃー、素通りできねぇ。

これだ! 1・2・3

...
さて、無駄な体力使うのはやめて先へ進もう。

このあとr14へ出るが交通量が多く走りにくいので、1本海側の道へ入ってみた。

こんな道。

舗装されてます。

道の両側には民家が点々と並ぶ。
この道が、ずーーーっと続く。
タイムトラベルな感じ。

やがてr14へ復帰する。
交通量が多いので早く抜けようと全開。
気がついたら浦戸大橋に上ってた。

うわわわー、やばい。
だめだよ、この橋。 車多し、路肩なし。
自転車はやめたほうがいい。
どこまで上るんだよー...

で、ここ。

福山... もとい、坂本さん。 本物。

あんなに上のほうにいるのかよ。
高すぎない?

高杉...     やめた

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その5-3

つづき

岬に着いても、灯台がどこにあるのかわからない。
うろうろ。

あ、上川... もとい、中岡さん。

今日中には、ご盟友にもお会いいたし申し候。

先生!字が違います!

こういうところで間違っちゃいけないよ。3点。

岬を離れてR55を北上。
快適だぁ。 うひょひょー。

道の駅田野駅屋。


道の駅大山で昼食。

ちりめん丼。 大量のしらす。
ま、うまいけど湘南暮らしの身にとっては、さほど。

R55は快適だが、海側に自転車道を発見。
自転車道って当たり外れがあるんだよなぁ。
いちおう見ておこうか、せっかくだから。

こんな感じ。



これはイイ!
よく整備されている。感謝。
のんびり走ろー。

ふと既視感。 走ったことがあるような気が...
この道は静岡県沼津市から西へ向かう自転車道とそっくりだ。
堤防の上や松林の中を走る。

で、たどり着いたところが...

どん! 出た!

近っ!

これは、道の駅やす にあった偽者。

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その5-2

つづき

トンネルを出て「室戸広域公園」に入る。

公園の中を上り、室戸スカイラインに出る。

上りだが依然としてリアは19T固定。
まだこの先があるはずだ。温存する。

と、わきの林から ガサガサッ と音が!
落石か!(経験あり)

イノシシが飛び出してきた。

うゎぁぁぁ。
あせった。上りでよかった。

猛進されてもこわいので、あまり近寄れず。

しばらく上って、山頂に到着。

眺めはいい。
いいけど空と海だけ。

一気に下って振り返る。

こちら側から上るほうが、たぶん厳しいのではないかしら。

岬の先端からの眺め。

やはり空と海だけ。

かの弘法大師は若き日にこの地で修行をしたそうだ。
その名を「空海」としたのもうなづける。

とても美しい空と海。
だけども... おもしろくはないなぁ、あきるよなぁ。
毎日見てたら、むしろ空と海が嫌いになるかも。うんざり。
凡人だもの。

つづく

自転車ツーリング 四国半周東側 その5-1

2010/10/07

本日も快晴。朝日とともに走り出す。

R55を南へ。

室戸市入り。


毎年旅の途中で台風に襲われるけど、今年は避けられそうだ。
ここ室戸での台風を心配していた。
私の中では室戸といえば台風のイメージです(地元のみなさんスミマセン)。

いつも朝軽く走ってから朝食をとる。
コンビニパンなど。
ところがここにはコンビニがない。まずいぞ。
室戸岬までにガス欠になってしまう。

小さな喫茶店を見つけた。ほっ。

コーヒー、うま~。

東京から来たんです~
いや広島までは電車です~
どこまで行くか決めてないです~
行かれるところまで行きます~

と、何度も繰り返してきた定型話をする。

「きぃつけて、がんばりや」
「ありがとうございますっ!ごちそうさまでした」

R55をさらに南下し、岬の手前でr202へ曲がる。
なぜかって?
「室戸スカイライン」を岬に向かって走りたかったんだよー。

本当はr202ではなく、その手前から“三津坂トンネル”の上を通る道を行きたかったんだけど、入り口がわからなかった。

r202の三津坂トンネル。

いやだよ~。

と思ったら、わきに歩行者トンネルがあった。

おぉ、なんかカッコイイ。
正義のヒーロー出撃!みたいな。

つづく

2010/10/24

自転車ツーリング 四国半周東側 その4-4

つづき

トンネルを迂回したところに、こんな地形もあったよ。

なにこれ、すごい!

横のものが縦になっているんだからたまげた。
自然はすごいなー。
いったいどんなことが起こればこうなるんだろう。
自分がとても小さな存在だと感じる。

左側には常に海。


白浜ビーチに到着。

南国リゾート風のホテルがあったよ。
こういう観光ホテル風のところはいつも使わない。
高いからね。
寝られればいいんだよ。

地図を見ると、どうやらこの先には町が無さそうだ。
まだ時間は早いけど、この町で宿を探そう。

と思ってあたりをうろうろしたけど小さな町だ。
宿はおろか食事もできそうにないぞ。
駅があるから駅前ならなんかあるだろう。
行ってみよう。

甲浦駅...


駅前のメインストリート...


orz...

さっきのホテルをとったよ...

でも高くなかった。
食事もホテルで食べた。

いつも行く先々で、夜は小さな居酒屋や小料理屋に入る。
お店の人や、地元の方々との会話がとても楽しい。
旅の楽しみの一つになっている。

ここではできなかったよ。
ちょっぴり残念。



走行ルート


走行データ
走行時間 7:34:27
走行距離 123.78 km
平均速度 16.3 km/h